月別アーカイブ: 2017年4月

欲張り過ぎは危険です。

広告の見出しのようなテーマで失礼します。
住宅業界全般について日頃感じていることを書かせて頂きます。

10年あるは20年のスパンで戸建の性能や価格について考える時どうも欲張り過ぎると思うのです。

建物の性能には、耐震、防火、防水、断熱、などなど求める性能は毎年高くなります。これ自体はいいことですが、性能アップに伴い建物のコストがかなり上がっているかと思い、国土交通省の統計を調べてみたところ、20年前に比べて、消費者物価はほぼ同じ、建築のコストはわずか5%程度のアップでした。

技術の進歩で20年前のコストと同じで性能がアップしているのでしょうか?また、国の推進するゼロエネルギー住宅は太陽光発電を搭載しなければなりません。このコストはどこから出てくるのでしょうか?建物に払えるコストはほぼ横ばいの状況でこれほどまでに性能が求められることは、見えないところで無理があると考える方が自然です。

次のような点に無理が隠れていると思います。

① 断熱施工と気密施工
一言でいえば、同じ断熱材を使用しても、施工が丁寧でなければ体感する性能は全く異なる結果となります。 国の基準は断熱材の素材性能しか問いません。気密性能につては、天と地の違いがあります。

② 屋根・外壁の耐久性
入居時は素敵な外壁も、数年で劣化が見られる建物があります。 外壁の値段は実は塗膜の強さで単価が異なります。 屋根も同じことが言えます。

③ 大工工賃の削減
購入資材が増えるとコスト削減のプレッシャーは現場での施工費用の圧縮につながります。丁寧な造作は期待できず、時間との闘いとなります。 以前大工から聞いた話ですが、「支給された釘を全部打っている時間はない、工事が終わると釘が余る・・・」 

★  ★  ★

価格は安く、外観も素敵で、長期優良住宅の名前のとおり40年も50年も住めるはずでした。太陽光発電があるので電気代もほとんどゼロで・・・

これが10年も過ぎないうちに、

外観はさびれ、床暖房は故障して修理代が高いのでそのままに、仕方なく石油ストーブを買って暖房し、そうしいる間に太陽光発電もパワコンが故障して止まったまま、といった状況になることが容易に想像出来ます。そんな我が家を見て、丁寧にメンテナンスをして、永く住み続ける気持ちになるはずがありません。

性能の欲張りすぎにご注意ください。